2021年4月、ACミランアカデミー愛知の11年目の活動がスタートしました。
小牧市で記念すべき一歩を刻み、2014年に名古屋市(昭和区御器所)、2018年からは豊橋市(東三河校)を開校。
愛知県内3拠点でピッチに立った日数は、10年間で1435日を数えました。
思い返せば、これまでたくさんの子どもたちとの出会いがありました。
スマイルと笑い声にあふれたフィールドから、少しずつ成長していく姿を見守ってきた10年間。
昔の思い出を紐解いていきながら、少しずつ更新していきます。
ぜひご一読ください。
開校から10年間の歴史をじっくりと振り返る、”AICHI MEMOIRS”(※メモワール=回顧録)。
思い出をめぐる旅へ出発!
第5回は、「2012年、初めてのイタリア遠征(Part.2)」が舞台となります。
★バックナンバーはこちらから★
【Vol.01】2011年・開校記者会見
【Vol.02】2011年・開校前ミラノでの日々
【Vol.03】2011年・初めてのトレーニング
【Vol.04】2012年・初めてのイタリア遠征 (1)
■ 絶景ハイキングで幕開け!
滞在先のトレントは山間にある静かな街。
ホテルは郊外にあるのですが、エントランスからの眺めもこれまた絶景です。
長旅を終えた後の疲労を考慮し、体を少しずつ慣らしていこうということで、
この日はハイキングを予定していました。
ランニングシューズでいいから、身軽な格好で出発するよ!
準備に関する指示はこれだけでした。寒くもないしいい天気。
きれいな景色に期待を膨らませながらホテルを出発し、バスは山道を登っていきます。
グルグル、グルグル、グルグル…と
みんなが「いや、いつ着くんだよ!」と思った矢先でバスが止まります。
■ 蓋を開ければ、壮絶ハイキング
山道を登ること40分ほど。ここでバスを降り、歩いてハイキングスタートです。
バスの運転手さんも一緒に動くとのことで、トランクをオープン。
ここで事件です。
マッテオコーチ、登山靴に履き替えるではありませんか!!!
(大人も子どもも全員が、おいおいやってくれたなという視線を向けました)
慣れない山道の影響もあり、メンバーの半分はバス酔いが覚めないまま歩き始めます。
なんとも幸先がよろしくない。笑
みんなでがんばって歩きながら、どうにかこうにか元気を取り戻していきます。
頂上にたどり着いてランチタイム。パニーノとフルーツというライトな食事でしたが
登り切った達成感がスパイスとなり、とてもおいしく感じました。
チームビルディングの意図はなかったのですが、絆が深まったような気がします。
全員がランニングシューズ。ライトなハイキングのつもりでスタートしましたが、
実は標高1650mの山を登頂する壮絶ハイキングだったというオチ!
(全員がきっと死ぬまで忘れないであろう貴重な体験でした。なお、この年以降実施しておりません!笑)
山道を降りながら、サッカーグラウンドに寄り道。
イタリアに来て初めてのサッカー体験も、ちょっとした高地トレーニングになりました。
■ ミラノまで日帰り旅!
トレントを拠点に遠征が続く中、ACミランのホームタウンであるミラノにも足を運びました。
サン・シーロスタジアムツアーでは、でっかすぎるスタジアムに大興奮!
ミラノ市内観光では、スリに警戒しながらでっかすぎるドゥオーモ大聖堂に大興奮!
運よくACミランカラーの地下鉄に乗ることもできました。
次なる目的地は、ACミランのクラブオフィス。
今でこそCasa Milanという立派な自社ビルがどどーんと立っていますが、
当時はミラノ市内にある、至って普通のオフィスビルの一角にありました。
(下には歯科医院、弁護士事務所などもあり、個人的にも呼び鈴を何度か押し間違えて気まずい思いをしたことがあります)
トップチームの選手たちが契約書にサインをする、トロフィールームにも通してもらいました。
チャンピオンズリーグほかこれまでに獲得したあらゆるトロフィーや
クラブのレジェンドであるファン・バステン選手が獲得したバロンドールが手の届く位置に!
■9年経っても忘れられない一戦
小旅行の締めくくりはトレーニングマッチ!
ACミランの提携クラブ“Cimiano”のトレーニングセンターにお邪魔しました。
同じ2001年生まれチームとの一戦。
練習の成果を見せたかったところですが、相手が強すぎて何もできませんでした!
聞けば、同年代のインテルやACミランの育成チームにも勝ててしまう実力があったとか。
いきなり2ゴールを奪われ、「マッチメイクをミスしたなぁ」と思い、
大人たちはこっそりベンチで頭を抱えましたが、
メンバーは、イタリアで試合ができたことが何よりうれしかったみたいです。
大人は冷や汗をかきましたが、試合終了後の笑顔がせめてもの救いでした。
9年経った今も、当時のGKは「この時の大量失点は忘れたことがない」と言っていますが。笑
(Part 3へ続く)
Text by Akihiro Yamada