【AICHI MEMOIRS】Vol.04 / 初めてのイタリア遠征(Part 1)

2021-06-18

2021年4月、ACミランアカデミー愛知の11年目の活動がスタートしました。
小牧市で記念すべき一歩を刻み、2014年に名古屋市(昭和区御器所)、2018年からは豊橋市(東三河校)を開校。
愛知県内3拠点でピッチに立った日数は、10年間で1435日を数えました。

思い返せば、これまでたくさんの子どもたちとの出会いがありました。
スマイルと笑い声にあふれたフィールドから、少しずつ成長していく姿を見守ってきた10年間。

 

昔の思い出を紐解いていきながら、少しずつ更新していきます。
ぜひご一読ください。

開校から10年間の歴史をじっくりと振り返る、AICHI MEMOIRS”(※メモワール=回顧録)。
思い出をめぐる旅へ出発!

第4回は、「2012年、初めてのイタリア遠征(Part.1)」が舞台となります。

 


★バックナンバーはこちらから★
【Vol.01】2011年・開校記者会見
【Vol.02】2011年・開校前ミラノでの日々
【Vol.03】2011年・初めてのトレーニング


■はじまりは夏の終わり

開校当初は毎日のようにドタバタしていたものの、夏を迎える頃にはようやく落ち着いて運営できるようになってきました。

あれは確か夏の終わりを感じた9月下旬。トレーニングがなかったある水曜日の夕方のことでした。
デスクワークを終えたマッテオがポロッと口を開きます。

 

あ、そうそう。
来年の4月に、イタリア行くって決めたから。
2001年生まれ、12人ね!

 

イタリア遠征の実施については、まったく眼中になかったわけではありません。
しかし、日々の業務への適応に追われてすっかり忘却の彼方に追いやられていました。

彼の唐突なひと言がきっかけとなり、記憶を取り戻し暗中模索しながら準備を始めることに。
この時はまだ、その先9年で200人以上が海を渡る【コアコンテンツ】になるとは知る由もありませんでした。

 

ざくっと聞いた感じ、要点は以下の通り。

● 行き先は、イタリア・ミラノとトレント

メインイベントは、イースター(復活祭)に合わせて実施される国際大会@トレントに出場

滞在ホテルはマッテオ実家の近所にある

マッテオの里帰りを兼ねている

参加スクール生の保護者の同行はなし

マッテオの両親が全力でサポートしてくれる

 

情報収集しつつ、旅行会社と連携しながら準備を進めることおよそ3ヶ月。

マッテオがテクニカルディレクターとして2001年生まれのスクール生12名をリストアップし、
招集レターの発送準備が整ったのは2011年12月20日。

 

 

開校記者会見でメディア向けに配布した、赤いスタイリッシュな封筒を大抜擢。
クリスマスムードも相まって、まさに「ドンピシャリ」の演出となりました!(自画自賛)

 

年明けには参加メンバーとなる12名が確定。
保護者のみなさんのご協力もあり、目まぐるしいスピードではありましたが渡航準備を進めていきます。

 

■スクール初となる対外試合

選抜チームとして、そして当スクールとしても初めてとなる対外試合を開催。
開校記者会見からちょうど1年が経過した、2012年3月3日のことでした。
この遠征に参加するためだけに集まった12人。
それぞれに顔見知りが少なく、大体が「はじめまして」からスタートした期間限定の即席チームです。

 

 

 

メンバーたちはイタリアの公式ルールでのプレーを初体験。
まず、8人制ではなく7人制ピッチの大きさも通常のおよそ半分(11人制ピッチの4分の1程度)でした。
そのほかにも、オフサイドがなかったり、GKはバックパスをキャッチできたり*…と
日本とのルールの違いを体当たりで学びながらメンバー1人ひとりも準備を進めていました。

(*2018年からキャッチはできないが相手がボール奪取できない、【No-Pressing方式】に変更)

 

■9日間にわたる冒険がスタート

2012年4月2日、中部国際空港に集合したメンバーたち。
ドイツ・フランクフルト経由でイタリアまでの長旅が始まります。
私を含め帯同する4人のスタッフにとっても「すべてが初体験」で、ワクワクよりも緊張した雰囲気に包まれていたような気がします。

 

 

家族の皆さんに見送られながら、保安検査場を通り過ぎてからわずか5分。

最初のトラブル発生!!!笑

メンバーの1人が乗り物酔い対策の薬を早く飲み過ぎたようで、搭乗前にまさかのダウンです。。。

 

 

この時、同便に搭乗する女性に助けられて事なきを得ました。

うちの息子も海外でサッカーやっててね、子どもの頃から海外に行くなんて貴重な経験よ。応援してるわよ!

と、ありがたいお言葉をいただきました。

 

お礼がてら話をしていくうちに分かったのですが、
この女性、当時Jリーグからドイツ・ブンデスリーガに活躍の舞台を移した某サッカー選手のお母さんだった模様。

 

 

思わぬ方からの温かいエールを受けて、中部国際空港を離陸。
機内ではマナーを守りながら、みんなで楽しく過ごします。
(だいたいずっと行儀よくお菓子を食べていました笑)

 


 

ドイツ・フランクフルトを経由して14時間ほど、イタリア・ヴェローナ国際空港に到着!
ここからさらに、トレントまで1時間ほどのバス移動。

機内ではしゃぎ過ぎた影響がここで露呈します。
車内では全員が寝落ちして、ようやく完璧な静寂が訪れました(今となってはイタリア遠征あるあるの一つですね)。

 

 

ホテルに到着後すぐに、レストランで夕食。
長時間移動を終えて疲労もピーク。時差ぼけもありなかなか食事が喉を通らない。
現地に到着して最初の食事はまさに「鬼門」です。

 

 

笑顔が見えたのもこの一瞬だけ。全員が意識を失いながら部屋に戻り、一瞬で眠りにつきました。
いよいよイタリアでの冒険の日々が始まります。

 

(Part 2へ続く)

 

Text by Akihiro Yamada

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